甲子園出場チームの大会期間中における現地での過ごし方について

学生時代

高校野球と言えば甲子園。

毎年、多くのひとがテレビで試合を観戦しています。

熱狂的なファンは甲子園球場まで足を運び球児達の熱いプレーに酔いしれます。

そんな甲子園ですが、試合以外の時間を球児達がどのように過ごしているかはあまり公表されていません。

開会式や試合の度に甲子園に来る訳にはいかないので、基本的に甲子園期間中は現地に宿泊して過ごしています。

野球ファンでない方でも、甲子園出場チームの選手達が大会期間中どのように過ごしているか気になりませんか?

宿での過ごし方や試合日までの練習手段、試合当日の流れについて紹介していきたいと思います。

僕自身、高校時代にベンチ外ではありましたが、甲子園に出場していますので経験したことを最大限お伝えします。

ただ当時から10年以上経っているため今は変わっている部分もあるかと思いますが、その点はご了承ください。

また、紹介するのは「あくまで我が校の場合はこうでした」という内容であり、全ての高校に該当する訳ではないのでその点も事前にお伝えしておきます。

それではいってみましょう。

宿について

各都道府県で宿は決まっている

夏は各都道府県の代表校が、春は各地区の代表校が甲子園へと出場しますが、泊まる宿については各都道府県で決まっています。

例えば、静岡県の高校であれば○○○ホテルといった具合です。

僕が甲子園に出場したのは3年生の時でしたが、前年に甲子園出場した高校に中学の同級生がおり、聞いたのですが、やはり同じホテルでした。

場所は大阪府茨木市、甲子園球場までは車で50分程です。

この宿を拠点に甲子園期間は活動していました。

高校生が泊まるクオリティではない

続いて気になるのが宿のクオリティです。

正直言って高校生が宿泊していいようなホテルではありませんでした。

さすがに豪華なスイートルームという訳ではありませんが、通常のビジネスホテルに比べて広々としていましたし、ベッドの他にテーブルや読書などができるデスクが置かれていました。

お風呂も足をまっすぐ伸ばせるほど広かったです。

部屋はツインとなっており、3年生1人、2年生1人という具合。

お値段は1泊10,000円/人くらいだったと記憶しています。

トータルで10日間くらい滞在していましたので、宿泊費だけで10万円は掛かっていました。

甲子園出場にあたり、寄付金を下さったOBの皆様には大変感謝しております。

食事について

食事は毎回バイキング形式。

野菜や肉、フルーツまで毎回おいしい料理が用意されていました。

僕はベンチ入りメンバーではなかったので一生懸命食べる必要は無かったのですが、あまりの美味しさに箸が止まりませんでした笑

宿での練習場所

宿の中には鏡張りの練習スペースやウエイトルームはないため、外の駐車場の隅っこの方でバットを振るくらいでした。

あとでも話しますが、割と甲子園期間は自由時間があるのでベンチ入りメンバーは自分のスイングを確認するために外に出て素振りします。

その時、僕らベンチ外メンバーも一応外に出て素振りをするのですが、内心「いや俺試合出ないのにバット振っても意味ねぇ笑」と思いながらも部屋で寝ている訳にもいかないので真剣な表情でバットを振っていました。

この話しは今でも同士(ベンチ外の親友)と、「いや俺ら意味なくバット振ってたよな笑」と大爆笑しながら酒を飲んでいます。

まあこういう青春もあるんですよね笑

宿での過ごし方について

朝は散歩

朝は必ずチーム全員で散歩に出掛けていました。

コースはいつもお決まりで30分くらいで帰ってこられる距離です。

散歩の際は必ずビニール袋を持参し、落ちているゴミを拾っていました。

こういう行動が高校野球の素晴らしいところですよね。

とにかく長い自由時間

先述したとおり、まあ自由な時間が長いんですよ。

理由は、甲子園期間中はあまり多く練習時間を取れないからです。

そのため、部屋で次の対戦相手の試合をテレビで見たり選手同士でのミーティングや素振りをして時間を過ごしていました。

それくらいしか、することないんですよ。

聞いた話しによると、テレビゲームを持ち込んで宿で遊んでいたチームもあったとか。

そのチームはまあまあ勝ち上がっていましたので分からないもんですよね。

基本外出禁止

宿にいる間、基本的には外出禁止でした。

宿の外に出る場面があるとすれば、体のケアのため先生か保護者同伴のもと整体に行くくらいです。

僕はベンチ外でしたので体のケアをする必要がなく、ずっと宿にいました笑

そんな状況で口が裂けても「たこ焼き食べにいきたい」などと言えません笑

試合までの過ごし方について

練習について

試合当日までは近隣の高校のグラウンドをお借りし1日2時間だけという決まりのもと練習していました。

この2時間という規定が高野連で定められていたそうです。

練習場所は毎回同じではなく、違う高校を転々としていました。

もちろん甲子園に出場しない高校に限りグラウンドを借りていましたが、その中で履正社高校のグラウンドを借りたことがあり、もしかしたら1つ下の山田哲人(現ヤクルトスワローズ)に遭遇していたかも知れません。

練習試合について

大会期間中は練習だけでなく、地元の高校と練習試合を行っていました。

ここでも、あくまで対戦相手は甲子園に出場しない高校なので負ける訳にはいきません。

負けようものなら、「今年の静岡代表は大したことないな」なんて思われますからね。

と言いつつも、練習試合は何回か負けましたけどね笑

なかでも京都外大西高校は別格に強かったです。

これで甲子園に行けないのかよ、って本気でビビりました。

やっぱり関西の高校はレベル高いなと痛感させられました。

甲子園練習について

たしか開会式の前々日くらいだったと思いますが、1チームあたり30分間だけ甲子園で練習する時間が与えられます。

ここではシートバッティングやシートノックなどを行いました。

僕自身もベンチ外でしたが、この甲子園練習では実際に甲子園球場で練習することができ、とても良い思い出となっています。

練習中は、「○○高校、残り何分です」というテレビで聞いたことのあるウグイス嬢のアナウンスに大変興奮しました。

なんという美しくて響き渡る声なんだ。

本当に感動しまくりでした。

開会式について

開会式当日は入場行進直前に有望選手がインタビューを受けていたみたいです。

僕らの時は、花巻東の菊池雄星選手や明豊高校の今宮健太選手が注目されていましたね。

まさに2大スターといった感じでした。

入場行進は演奏部隊を先頭に満員の甲子園球場を1周するのですが、僕はずっとスタンドで眺めていました。

いやあ、入場行進してみたかったですねぇ笑

試合当日について

試合当日、試合開始まではスケジュールが細かく決まっています。

・軽いウォーミングアップ(室内練習場)
 ↓
・キャッチボール(外野で塁間の距離まで)
 ↓
・取材(室内練習場)
 ↓
・シートノック(7分間)

このようにバタバタと試合前の時間を過ごし、あっという間に試合開始という感覚でした。

そして、試合終了後はベンチ内の荷物を持って一列になり退場します。

このとき、荷物運びのサポートメンバーとしてスタンドにいる部員の内2名が試合終了の直前にベンチ裏に降りていき待機、試合終了と共にベンチに入り荷物を片付けます。

また退場の際、ダグアウトを抜ける時には必ず帽子を被るという規定もありました。

こんな感じで1日4試合開催される甲子園では決まり事が多く、その制約の中でも力を発揮できるチームが勝ち上がっていくのです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

甲子園の裏側を少しはお伝えできたと感じております。

現在はコロナ禍ということもあり、選手やスタッフの方々はより注意を払い甲子園期間を過ごしているはずです。

このような中、甲子園で結果を出すためにはやはり環境に順応することだと思います。

我が校は甲子園常連校ではありませんでしたので、正直雰囲気に飲まれていました。

よく「甲子園には魔物が棲んでいる」と言われますが、魔物は常に自分達自身です。

甲子園で勝つためにはただ強いだけでは難しく、大会期間中の試合以外の時間をどう過ごすのかが非常に重要になってきます。

その辺を甲子園常連校は熟知しているため伝統的に強いのです。

試合以外の時間をどう過ごすか、関係者以外は覗くことができませんが、試合の結果に大きく影響することを理解しておくだけでより高校野球を楽しめるはずです。

ぜひこれからも、高校球児に温かい声援をお願いいたします。

以上

ありがとうございました。

コメント

  1. ^^ より:

    県立岐阜商業…

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